私が幼い時、いつだったか？小学生になってたかな？
ある日突然、私の父が別人のように無反応になり
毎日酒びたり、

それからと言うもの、
大事な話をしても、全部忘れてしまうし
母と私の喧嘩だったにもかかわらず、
突然口を挟んできて、何故か
階段の上から落とされそうになったこともある
顔をあわせると、何か事件が起こるので、
成人した頃には、できるだけ顔をあわせないように生活していたほどだ
ここには書ききれないほど、いろいろ裏切られて
もう人間的に信頼できなかった所へ

私が、初めての出産で里帰り中
例によって酒に酔った父が、暴れだし
本気で、赤ちゃんと自分の身の危険を感じるほど恐ろしい思いをした。
その時以来、父の事が心底許せなくなり、
６年以上音信普通になったのです。

その一件で、母も父に愛想を尽かし、離婚することになったほどです。

その頃から、私は、父親に何かあっても
一切面倒みないと、妹にも母にも告げていました。

そして、昨年の９月に、その「何か」がやってきました。
どうやら、末期のガンで入院しているとの事
私は、そんな事言われても、面倒みるつもりはありませんと主張していたため
父の兄弟と、私の妹が、いろいろな手続きやら、身辺整理やらをしてくれていたようなのです。

そんな時に、嫌々お見舞いに行ったものだから、
父親から、旦那の両親に何かあったときには、お前がちゃんとやるんだぞ
と言われて、
「あんたにそんな事言われる筋合いはない」と結局喧嘩になって帰ってくるだけでした。
それから半年

４月に入って、かなり容態が悪くなっていると妹が泣きながら電話をしてきた。
８日の早朝に連絡があり、
２時ごろ亡くなったと言う

正直、その時はまだ、私も親族として出なければならない事に苦痛を感じていた

死んだからって、今までの事がリセットされるわけではない

翌日のお通夜には早めに到着して欲しいと、妹にたのまれたのですが
「早めに到着できるかわからない」と答えたら
妹が激怒して、「じゃぁ来なくていい！」と言うので
私も、「じゃぁ行きません！」なんて、わけの分らん喧嘩になってしまった。

もちろんお通夜は行かないはずないんですが・・・

私もかなりの意地っ張りなので、18時数分前に到着
みなさん、もちろん着席していました。

また、嫌々親族として、前に立ち、挨拶し・・・・何で私が・・・と思いながら
傍目から見たら、相当態度悪かったでしょう

ただ、私の中で少し変化が起こったのがこのお通夜の後あたりから

子供の頃から、
母親が、「父の家はちょっと変な人達だから」と言われていたので
ほとんど父の実家に遊びに行く事もなかったし
正直、あまり話したくはなかったのです

父の兄弟達に会う機会があっても、
父が間に入った会話しかした事がなく
直接話しをしたのは今回が初めてかもしれません。

今まで母親から、言われてたイメージとまるで違い
別に普通と言うか、むしろ面白い人達だったのが、意外で驚きました。

父親がかなり、プライド高いから、みんなが同じだろうと思っていたけれど
そんな感じではなさそうです。

その時、初めて、
父のいろいろな手続きやら身辺整理を任せきりで、非協力的だった事恥ずかしいと少し思ってしまいました。

そして、翌日の火葬場での待ち時間に
お礼の挨拶をして周っている中で、

私にとっては、まだ、良い父だったとは言いがたいのですが

父の兄弟達とっては本当に大切な人だったと言う事が強く伝わってきました。

実は、「最後の食事は遠慮して帰ります」と伝えてあったのですが
わざわざ、子供の分まで、食事を用意してくれていました。
帰りぎわには、父のお兄さんから
「昔のうらみつらみは水に流して、是非また集まりに参加してください」と・・・
何だ、この人、私の思いは知っていたんだ
これにはちょっと感動しました。

この人達と兄弟なんだから、
お酒さえ、控えたら、父だって本当は良い人だったかもしれません。

その事を気がつかせてくれた兄弟達に感謝しています。

■仏具・神具